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民主党圧勝の陰にキャッチフレーズの上手さ(2)


対決の構図をいかに演出するか

 ところで、上記の選挙に共通している構造は何かお分かりだろうか。
1つは年齢。
「退治」される側の年齢は70歳以上(久間氏は68歳だが、片山氏は当時72歳)。
2つめは権力者に挑む弱者。

 日本人が好きなのは両者が一緒になった構図。
権力を持たない老人に若者が挑む構図でも、年下の相手に年上が挑む構図でもなく、権力を持った老人に挑む弱そうな若者という構図が共感を呼ぶのである。
いわゆる判官びいきである。
忠臣蔵が好まれるのもこの構図だからだ。
しかも上記の女性達はいずれもいわゆる美形。いかにもキャリアガールという感じではないところが、ますます判官びいきを呼ぶ。

 小沢一郎氏がこの構図を知っていて意図的にそうしたかどうかは分からないが、上記の3人は小沢ガールズと呼ばれているように、小沢氏が自ら出馬を口説いた相手。
 彼自身はドラマの悪代官役が似合いそうな顔付きだが、案に相違して若い女性を口説くのは上手なようだ。
 しかも口説くだけではなく、その後選挙戦術を授け、徹底して指導している。
彼女達はその指導を守り、徹底した辻立ちという泥臭く、きつい仕事を着実に続けたから勝てたわけで、決してキャッチフレーズだけで勝ったわけでも、風だけで勝ったわけでもない。

 現在、アメリカの大統領選挙がビジュアル選挙の様相を呈していることからも分かるように、日本でも今後キャッチフレーズを含めたPR戦術のウエイトは高まるに違いない。
 同じことは企業戦略にもいえそうだ。
小沢流の戦術を見習ってみてはどうだろう。
 いやー、それにしても選挙って面白い。


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